【24歳 アパレル店員 – R子】首輪の向こう側
「犬になりたい」
初めて会った時、R子はそう言った。冗談ではなく、真剣な表情で。
彼女は心斎橋のアパレルショップで働く、おしゃれで明るい女性だった。接客も上手く、売上も良い。しかし彼女の中には、誰にも言えない願望があった。
「人間として生きることに疲れました。何も考えず、ただ飼い主に従う犬になりたいんです」
ペットとしての自覚
京都のホテルで待ち合わせた時、R子は私が指定した通り、カジュアルな服装で現れた。部屋に入るなり、私は鞄から首輪を取り出した。
「これを付けろ」
赤い首輪。鈴が付いている。R子は震える手でそれを受け取り、自分の首に巻いた。カチリと音がして、首輪が固定される。
その瞬間、彼女の目の色が変わった。
「これからお前は人間じゃない。俺のペットだ」
「…ワン」
小さく鳴き声を上げる彼女。既に人間の言葉を忘れ始めている。
訓練
「四つん這いになれ」
R子は床に手をつき、犬のように這う。服を着たままだが、その姿はもう人間には見えない。
「お座り」
尻を床につけ、両手を胸の前で丸める。犬のポーズ。
「お手」
右手を差し出す。私はそれを受け取り、頭を撫でた。
「いい子だ」
その言葉を聞いた瞬間、R子の表情が緩んだ。褒められる喜び。それが彼女を満たしていく。
餌
服を脱がせ、完全に裸にする。そして床に皿を置いた。中には水。
「喉が渇いただろう。飲め」
R子は迷わず四つん這いのまま、顔を皿に近づけ、舌で水を舐め始めた。ペロペロと音を立てて、犬のように水を飲む。
「おかわりは?」
「ワン!」
尻尾があれば振っていただろう。その姿に、人間の面影はもうない。
散歩
首輪にリードを付け、部屋の中を歩かせる。四つん這いで、私の後をついてくるR子。時々立ち止まり、「お座り」を命じる。その度に従順に座る。
「トイレは?」
「…ワン」
恥ずかしそうに鳴く。しかしそれすらも、ペットとしての振る舞いの一部。
部屋の隅にペットシーツを敷いた。
「そこでしろ」
R子は震えながらも、ペットシーツの上に移動した。人間としての羞恥心と、ペットとしての従順さが葛藤する。
最終的に、彼女はペットとして振る舞うことを選んだ。
ご褒美
すべての訓練が終わった後、私はR子をベッドに上げた。
「よく頑張ったな」
頭を撫で、身体を優しく愛撫する。ペットへのご褒美。
R子は嬉しそうに身体を擦り付けてくる。言葉ではなく、身体で感謝を示す。
最後には、ペットとして完全に満足した表情で、私の膝の上で眠ってしまった。
人間に戻る時
調教が終わり、首輪を外す時、R子の目には涙が浮かんでいた。
「また…人間に戻らないといけないんですね」
「ああ。でも、いつでもペットに戻れる」
R子は頷き、再び日常へと帰っていった。しかし彼女の首には、首輪の跡が薄く残っている。それが、彼女の秘密の証だった。